2016年09月12日

不登校の悩みを解決するにはどうすればいいか


 職業柄、よく不登校の相談を受けます。

 正直なところ、不登校はこうすれば直るといった直接的で特効薬的な解決方法はありません。

 個々人で性格も環境もその程度や状況も全部違うのですから。

 でも一つだけ言えるとしたら、

 不登校の子は家でも「安心できていない」し、自信をなくし、自己肯定感が低くなってしまっているということです。

 そしてここを改善することが一番必要なことであるように思います。不登校というのは一言で言ってしまえば「自分に自信がなく不安で前に出られない状態」だからです。

 だから僕はまず、親御様に「無理に学校に行かなくてもいいよ」と安心させてあげてくださいとアドバイスします。

 どうしたら子どもは安心できるのか?

 今のダメな自分のままで許され、受け入れられ、そのままでいいよ、好きにしていいんだよと心から言ってもらえたら安心できます。そして安心できると元気も出てきて、やる気や勇気も湧いてきます。

 では自信や自己肯定感はどうしたら高められるのか?

 それは自己肯定感を高める関わりで関わることによってです。

 < 自己肯定感を高める関わり >

 1、子どもの話を聞く(考えや気持ちを聴く)
 2、気持ちを理解しようとする(押し付けない)
 3、管理者ではなく援助者になる(信じて任す)
 4、子どもの善さを見る(尊敬する)
 5、弱さや欠点を受け入れる(受容する)

 そういう「あたたかくて信頼し合える関係」を子どもとの間に築くということです。
 これは親の人間的な成長を必要とします。


 不登校とは結局は人間関係やコミュニケーションのまずさやつまづきだと言えます。
 だとするなら、その人間関係やコミュニケーションのまずさやつまづきを改善すればいいわけです。
 ではどうすれば?
 安心でき、あたたかくて信頼し合える親子関係を子どもとの間に作ることによってです。
 良好な関係が子どもを癒し、子どもを成長させ、子どもをより健全により前向きに変えます。

 だからこれらの問題で悩んでおられる親御様がおられたら、子どもを変えようとせず(それでは子どもは安心できません)、上記のようなあたたかくて信頼し合える関係を作ることにのみ努力されるのがいいと思います。

 それは不登校の問題を子どもをどうにかすることによって解決しようとするのではなく、これは親である自分の問題と捉えて「今までの自分のあり方」を見つめ直し、変えるということに他なりません。そういう謙虚な姿勢で関わることで親の誠実さも子どもに伝わるように思います。


 過去と他人は変えられない。
 未来と自分は変えられる。


 これはよく言われることですが、本当にその通りです。
 そして自分を変えることはすなわち自分の周りの人を変えることにつながります。

 不登校も子どもも変えられない、
 子どもを変えようとしている限りは。
 でも子どもとの関係や自分は変えられる。
 そしてそこが変えられたのなら、
 不登校も子どもも変わっているのです。

 
 
 
posted by 長谷川 at 16:34| Comment(4) | 不登校の相談事例 Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月05日

「今週、子どもが学校に行けなくなりました」不登校の相談事例 1


 これはこのブログのコメント欄に寄せられた相談とそれに対する僕の回答とを載せています。

< 相談 >

今週、子供が学校に行けなくなりました。プライドが高く理由は言いませんが、朝になると吐くのです。行きたくても行けないらしいです。たぶん、中1ギャップ・・・

私は、見守ってあげようという気持ちよりも、心配・不安の気持ちが勝ってしまい、今朝、子供に対して怒鳴ってしまいました。

また子供に対して、かわいそうなことをしてしまいました。いつも、そうなんです。あったかい自分でいられたかと思うと、非常に冷たい自分がいて・・・自分の方が病んでるのではないかと思えます。

じっと寄り添って、自分はどうありたいのか・・・見守りたい・おおらかでありたい。そうは思っても、なかなかうまくいきません。難しいですね。子育て(己育て)って。



< 回答 >           

じっと寄り添ってやりたい・・
おおらかに見守ってやりたい・・
そうは思ってもうまくいかなくてあたり前です。
そう思う反面、一方の本音では
「このまま行けなくなったらどうしよう」という不安も強くあるのですから。

きっと、どちらの気持ちも本当の気持ちなんだと思います。
人間の心って複雑ですね。

僕はね、
怒鳴ってよかった、て思うんです。
それが今のあなたの生の姿なんだし、偽りのない「そのままの姿」を出せたのですから。

かっこだけ、おおらかで見守るふうな感じを演じてみせても、心の中は不安だらけで学校に行ってほしい気持ちでいっぱいなんて不誠実な気がします、子どもに対して。またすぐ見破られます。

あったかい自分も本当なら、冷たい自分も本当。
ちゃんとうまくできる自分もいれば、
うまくできない自分もいる。
それが
人間の生の姿なのだと思います。

そして、それを良い悪いで裁かない。
怒鳴ってしまう自分を自己批判しないで見る。
そうなってしまう自分を受け入れる。

あー、今の自分は子どもの気持ちより、自分の不安とか自分の気持ちの方が勝ってしまうのかなあ・・、とか。
子どもに寄り添うとか、大らかに見守るって口でいうのは簡単だけど、実際は大変なことだったんだなあ・・とか。

そうして自分を自己批判せずにそのまま見ることが、学びの最初なのです。己育ての一歩目なのです。
そうして自分を批判せずに、あたたかく理解しようとしていく、今はそういう自分なんだと自分を受け入れていく。

そうすれば、子どもさんに対しても批判せずに、今のありのままのその子が見えてくるし、今の子どもを尊重しようと思えるし、受け入れられるようにもなるような気がします。

不登校は頭で考えた方法では解決しないし、親の努力でも解決はしません。
不登校とは親にとっては『禅問答』なのです。
そこに合理的な答えはありません。

親の信実、真実、ほんとの姿、真心を出すしかない。
誰かに聞いたような解決法は一切役に立ちません。

長い人生の間にはいくつか本気で取り組まないといけない課題が訪れます。
自分のありようを見つめ直さなければならない時があると思うのです。

不登校を子どもの問題とせず、自分の今までのありようの問題ととらえ、子どもを変えようとせず、自分のありようを真摯に自分に問いかけてゆくなら、そこに新しい展開が開けてくるのではないでしょうか。

もっとイキイキ生きられるようになったり、もっともっと幸せに生きられるようになっていく・・、そんな展開が待っているのではないでしょうか。

いっぺんにうまくいかなくていいのです。
学んでいるのですから、そのままの自分を見つめることによって。
学んで、成長して、もっと幸せになっていく。
悪いことが起こっているのではありません。
より幸せになろうと動き始めているのです。


< 回答に対して >

 今の自分でいいんですよね。人間だから、いろんな感情があったって当然なんですよね。かっこつける必要はない。すべてを知り尽くしたような立派な親でいる必要はない。
 先生の言葉に、いつも救われます。
 ありがとうございます。





posted by 長谷川 at 13:48| Comment(2) | 不登校の相談事例 Q&A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする