2017年04月17日

人の目を気にする自分を変えたい、怒りをコントロールできる自分になりたいという悩みに答える


 先日、25年以上前の教え子(42)が悩みの相談に来ました。

 「自分を変えたいんです。どうしたらいいですか?」と。

 話をよ〜く聞いてみると「自分は人の目が気になって仕方がない。会社では言うことも言えず、ストレスもたまるし、不自由で仕方がない。それで溜まったストレスを発散するように家で妻に激しく愚痴ったり、癇癪を起こしたり、自分の怒りをコントロールできないんです。どうしたらいいですか?」ということでした。

 「大丈夫。変えられるよ。」

 「え?変えられますか?」

 「うん。君が本気で自分を変えたいと思って、そのように覚悟を決めて、そのように行動すれば変えられるよ。例えば、ここに太った人がいたとして、その人が自分を変えたいと一大決心をして、運動をして、食事制限をしたら誰でも痩せられると思わへんか。」

 「はい。思います。」

 「それと一緒や。みんな絶対痩せられるねん。でも、痩せられへん人はず〜っと色んな言い訳してるやろ。結局、本気で痩せる気ないねん。でも、本気になったらみんな絶対痩せられる。そう思わへんか?」

 「そう思います。」

 「だから、君が本気で自分を変えたいと思うなら、絶対変われるよ。ところで、どう変わりたいの?」

 「やっぱり、家に帰って妻に八つ当たりしたり、癇癪起こしたりするのはやめたいです。」

 「なるほど。怒り出すと自分でも止められなくなるから、そこをコントロールしたい?てことかな?」

 「はい、そうです。」

 「怒りっていうのはさあ、一人ひとりが『こうすべき、こうあるべき』ていう常識というか、自分独自の価値観を持っていてな、その自分独自の価値観に反することをする奴がいたりすると腹が立つわけ。

 だから、『こうすべき』ていうものが多い人ほどよく怒る。
 常識的で頭が硬い人ほどよく怒る。
 だから、この『こうすべき、こうあるべき』というのを自分の頭の中から無くせばなくすほど腹が立つことが減るってことや。

 怒るってことは自分の価値観がその人とかその出来事とかその言動に反応してるわけ。
 だから腹が立ったら『自分はどうすべき』と考えているんだろうかと自分独自の価値観がどこにあるんだろうとそれを探索する。
 そうして『こうあるべき』と考えているから腹が立ったんだとわかったら、その価値観、考え方が今の自分にとってメリットが多いのかデメリットが多いのかを冷静に考えてみる。

 例えるなら価値観の『断捨離』やね。その価値観があるから腹が立つことが多いのなら捨てたらいいのね。
 『断捨離』のように声に出して『絶対に〇〇すべきなんてことはこの世にはありません。〇〇すべきは人間が勝手に作りだしたこと、自然界には存在しません。今〇〇すべきは私には不要になりました。だから〇〇すべきを私は捨てます。ポイ!』

 ポイ!まで言わなあかんで。
 それで自分の心から怒りの元を少しずつ減らしていく。
 そうすると腹が立つことが本当に減っていく。」


 「ふ〜ん・・、なるほど・・。我慢するのではなく、怒りの元になっている自分の価値観を手放していくということですね。」

 「そう!その通り!
 僕はそのことに10年以上前に気がついてそのようにしたんや。
 そうしたら本当に腹が立つこと減ったで。
 精神衛生上ええで。

 でもな、それでも腹が立つことはあるわ。
 まだまだ『こうすべき』と思っていることが多いんやと思うわ。
 ほんまはこの世に『こうすべき』なんてないんやろうけどな。
 人間が勝手に善とか正義とか決めてるけど自然界には善も正義もないもんなあ。

 人間てさあ、大人になっていく過程でさあ、
 自分なりの世渡り戦術というか、
 こう生きていけばいいんやとか身につけるやん、常識も含めて。
 誠実であるとか、正直であるとかも含めて。
 努力で乗りこえろとか、辛抱しろとかも含めて。

 それで今まで生きてきたわけやし、それはそれで役にも立ったわけやけど、
 年齢を重ねたり、また違う問題に出会ったりした時にそれが邪魔になるというか、足かせになったりもするわけや。
 だから、価値観は常にアップロードが必要になるんちゃうかなあ。
 不要になった価値観はどんどん捨てていかなアカン。
 そんな風に思うなあ。」


 「わかりました。
  ところで実は社内のある資格試験に合格したのですが・・」

 「どんな試験なん?」

 「マネージャーに昇格する試験なんですけど、それでその試験には絶対受かってみせる!みたいに気合い入って頑張ってたんです。でも、いざ受かってみて、本当にマネージャーになってみんなを管理する立場に立つことが現実になってくるとだんだん自信なくなってきて・・。もうすぐ辞令が出ると思うんですけど断ろうかなあ、なんて思っていまして・・。」

 「なるほど・・。
  昔、君さあ、ソフトボールの試合でチャンスで俺に打席回ってこい、て思うんですけど、
  いざ本当にそんなチャンスが回ってきたら怖くて逃げ出したくなるって言ってたよな。」


 「はい、言ってました。」

 「ということは、マネージャーの辞令を断るってことはいつものパターンってことにならへんか。
  それだったら何にも君変わってないということにならへんか?」


 「違うんです、先生。
  今までの僕は何か頼まれてもいつも『イヤ』と言うことができなかったんです。
  だから辞令を断ることがいつもの自分を変えることになると思うんです。」

 「俺はそうは思わへんなあ。
  そういうのを『エゴの罠、エゴのごまかし、エゴの正当化』て言うねん。
  変わりたくない自分、つまりエゴが自分の心の中にいて、
  うまい言い訳を自分で作って、
  変わらないでいようとしているように思うなあ。」


 「いや、本当に違うんです。
  僕はいつも断れずにいたんです。
  だから断るという選択をすることが自分を変えるということだと思うんです。」

 「じゃあ聞くけど。
  自分にとってマネージャーになって責任を負わされて、
  みんなをまとめていかなアカンようになって、
  自分の管理職としての力量を試される立場に立つ方が楽か、
  それともマネージャーの辞令を断る方が楽か、
  どちらが楽や?」


 「そりゃあ、断る方が楽です。」

 「そこよ、そこ。
  君は怖がってんのよ。
  自分が試されて、もし自分に能力がないことがみんなにバレて、
  なんや、あいつやっぱり力ないやん、みたいに思われるのが、
  死ぬほど怖いんちゃうか?」


 「それは一番怖いです。
  無能やと・・みんなに思われて・・、
  それは耐えられへんほど怖いです。」

 「俺はさあ、君がそうなってもいいんちゃうかな、て思うねん。
  自分の無能さがバレてさあ。
  そうして、こう自分の弱さとかダメさとかが全部バレて、
  そうなんです。これが本当の僕なんですって開き直れたら、 
  それこそ自分が変われるチャンスになるんちゃうか。
  今までは人の目ばかり気にして、
  カッコばかりつけて、
  嫌われんようにして、
  言いたいことも言えへんかったわけやけど、
  もう全部バレてしもて、
  もうカッコつける必要がなくなってしまったら、
  その時こそ本当にありのままの自分で生きていける、
  そんな自分に変われる契機になるんちゃうかな。」

  
 「う〜ん・・。それは自分にとってすっごいキツいことですけどね。」

 「そやろなあ・・。
  無能さがバレて面目を失う。
  それを一番恐れてたんやからなあ・・。
  でも失敗するとは限ってないで。
  君は以外と高い能力持ってるからなあ。
  今まで人の目ばかり気にしてたから、
  その能力が全開になってないだけで、
  なりふり構わず一生懸命やったら
  意外とうまくいくんちゃうかな。
  あ、ええこと教えといてあげるわ。
  人をマネージメントする時には、
  自分の思うように動かそうなんて思ったらアカンで。
  一人ひとりの良いところを認めて、高く評価して、
  〇〇さんがいてくれるから、〇〇さんのお陰と感謝するねん。
  間違うてもマネージメントしようとか管理しようとか
  そういう不遜な思いを持ったらあかんで。
  気持ちよく働いてもらうにはどうしたらええやろ、と
  その人の助けになるにはどうしたらええやろと
  そういう気持ちでマネージャーしたらいいねん。
  素直、謙虚、感謝や。
  そうしたら管理職も務まるわ。」

  
 「なるほど。でも・・。」

 「俺はな、どっちでもいいねん。
  自分の思うようにしたらいいねんで。
  君がマネージャーを受けようが、断ろうが、
  どっちにしたって君の味方や。」


 「そう言ってもらえたら、すごく嬉しいです。」

 「自分を変えるというのは、口で言うほど簡単なことではない。
  なんかこう生まれ変わるような、すっごく大変なことなんやと思う。
  でもな、人生には1回か2回、マイナーチェンジではなく
  フルモデルチェンジが必要な時があるねん。
  君にとってそれが今なのかもしれへんなあ・・。」


 「フルモデルチェンジ・・ですか・・。」

 「うん。
  とにかく自分で決めて、自分で前に進むしかない。」


 「はい。」

 「どっちにしても応援してるからね。」
  
 「ありがとうございます。」



 そう言って彼は帰って行きました。
 
  
  
  
posted by 長谷川 at 18:30| Comment(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする